東京からの東海道新幹線の乗車券で、菊名⇔新横浜に乗車できるのか?
長らくブログを更新していなかったが、手始めに少々身近なネタから久しぶりに投稿。(そう身近でもないかな?)
近々、広島に旅行しようと思い、都内某駅のみどりの窓口に切符を買いに行った。新幹線の指定席は自動券売機で購入できたが、宮島まで乗車券を買いたかったので、有人の窓口に並んだ。(宮島口駅は広島市内ではないので、新幹線の切符と一緒に自動券売機では買えない。広島駅で途中下車するにはむしろ好都合なのだが。)
受付の若い女性のJR職員に、乗車券について、「経路は新幹線でいいですか?」と聞かれた。すでに新幹線の切符を買っていることを伝えた。しかし、東京からではなく、菊名(東急東横線と接続)から乗って新横浜で新幹線に乗り換えるかもしれないけど、もしかして追加運賃が必要ですか?と尋ねると、彼女の顔色は曇った。
なぜか、時刻表の路線図のページを確認し始め、「・・・あ、菊名から、乗れます。乗れます。」という返事が。
彼女は何を確認していたのだろうか?気になって調べてみた。
・・・なかなか、深かった(苦笑)。以下、JR東日本の旅客営業規則を追っかける形で整理する。
①原則として、東海道新幹線と、並行する在来線(東海道本線)は、同一の線路として扱う。(第16条の2第1項)
②ただし、新横浜駅(新幹線)と横浜駅(在来線)は離れているため、品川~(新横浜 or 横浜)~小田原間の駅(両端の品川と小田原は除く)で発着または接続する場合は、新幹線と在来線を異なる線路として扱う。(第16条の2第2項(1))
③しかしそれでは、新横浜で乗り換えて新幹線を利用しようとすると、乗車券の買い方が複雑になり、ともすれば追加の運賃が必要となってしまう。そうした乗客をある程度救済するために、「選択乗車」という、複数の経路のいずれかを選択できる特別ルールがある。(第157条第1項)
④新横浜にからむ選択乗車の規定は三つあり(第157条第1項(23)(24)(25))、このうち、(25)により、
・東神奈川~(在来線:横浜線)~新横浜~(東海道新幹線)~小田原
・東神奈川~(在来線:東海道本線)~横浜~(在来線:東海道本線)~小田原
のいずれかの経路の乗車券で、もう一方の経路も乗車できる。ただし、乗車券の買い方として、新幹線経由ではなく、在来線経由を指定して乗車券を買う必要はある(運賃は同じだが乗車券の券面には区別して表示される)。品川~小田原について新幹線経由となる乗車券だと、東神奈川は通らないことになり、この(25)の規定では救済されない。なお、在来線(東海道本線)経由の乗車券でも、新横浜で乗り換えずに品川~小田原の新幹線に乗車することは可能(上記①により)。
⑤菊名は東神奈川~(在来線:横浜線)~新横浜の間にあるため、上記④の選択乗車の規定により、東京都区内⇔宮島口の在来線(東海道本線)経由の乗車券でも、菊名⇔新横浜は乗車可能となる。(宮島口や広島市内に限らず、小田原以遠ならば、たとえば名古屋市内や大阪市内でも同様。また、菊名に限らず、東京都区内~東神奈川~新横浜の間にある神奈川県の駅ならば同様。)
めでたしめでたし。
おそらくそのJR職員は、その規定は知っていたけれども、とっさには確信が持てなかったのだろう。おそらく、菊名が新横浜と東神奈川の間にあるのか等について、規定を思い出しながら路線図を確認していたのだろう。
なるほど、と、ここまで調べてようやく合点がいった。
なお、結局その場では乗車券を買わなかった。横浜市内からの乗車券のほうが安いし、乗車当日でも乗車券を買えますが、と言われ、それもそうだなと。そもそも横浜市内からの乗車券ならば、文句なく菊名⇔新横浜は乗車可能だし。いつもながら、余計な遠回りをしてしまった。ああ、疲れた。(苦笑)
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